環境意識の高まりや健康志向の影響で、自転車の利用が増え続けています。
それに伴い、自転車事故のリスクも高まり、自転車保険の重要性が増しています。
しかし、保険に加入しているからといって安心できるわけではありません。
保険が適用されないケースを知らずに損をすることもあります。
自転車保険が適用されない事例を最新の判例や業界トレンドに基づいて解説し、損をしないための具体的な対策を紹介します。

自転車保険の基本

自転車保険は、事故による他者への損害賠償や自身のケガに対する治療費、死亡・後遺障害への補償を行います。
以下のタイプがあります。
- 個人賠償責任保険: 他人に損害を与えた場合の法律上の賠償責任を補償します。(民法709条)
- 傷害保険: 自身のケガに対する治療費や死亡・後遺障害への補償を行います。(保険法50条)
- 組み合わせ保険: 個人賠償責任と傷害保険の両方をカバーします。
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※自転車賠償責任保険の補償は、加入者本人が加入時に登録した自転車を使用中に発生した事故や故障に限ります。
自転車保険が適用されないケース

自転車保険が適用されないケースを以下に示します。
これらは法律と判例に基づいており、保険加入者が知っておくべき重要な情報です。
飲酒運転
飲酒運転は重大な過失とされ、保険金が支払われないことがあります。(保険法17条)
多くの自転車保険では、飲酒運転による事故は重大な過失とみなされ、保険金が支払われないことが一般的です。
これは、保険契約における免責事項として明記されている場合が多く、飲酒運転が原因で発生した事故は補償の対象外とされることがあります。
無免許運転

電動アシスト自転車の違法改造による無免許運転は保険金が支払われない可能性があります。
事例
モーター出力を不正に改造した電動アシスト自転車で事故を起こした場合、無免許運転とみなされることがあります。(道路交通法58条)
補足
日本の電動アシスト自転車は、法律により以下のような基準を満たすことが求められています。
アシスト機能は、時速24 km/hを超えると自動的にアシストが停止することになっています。
また、モーターの出力は、人力でのペダル踏力を1倍以上2倍以下に補助する範囲内で制限されています。
これは道路交通法および関係省令によって規定されています。
これらの基準を超えるような改造を行った場合、その車両は「特定小型原動機付自転車」や「原動機付自転車」として分類される可能性があります。
この場合、運転には原付免許が必要となり、また道路交通法の規定により、自転車保険ではなく自賠責保険への加入が義務付けられています。さらに、任意保険への加入も推奨されます。
無免許でこのような改造車両を運転した場合、道路交通法違反となり、事故が発生した場合も保険が適用されない可能性が高いです。
したがって、合法的かつ安全に運転を行うためには、法律に従った仕様の電動アシスト自転車を使用することが重要です。
競技や練習中の事故
競技や練習中の事故は保険の対象外となる場合があります。
事例
自転車競技の練習中に転倒し、ケガをした場合は、保険契約の免責事項に該当することがあります。
故意による事故
故意に起こした事故では保険金は支払われません。(保険法16条)
事例
故意に自転車を他人にぶつけた場合、保険金は支払われません。
重大な過失
スマートフォンを操作しながらの運転など重大な過失による事故は、保険金が減額されたり支払われなかったりします。(保険法18条)
事例
スマートフォンを操作しながら運転して歩行者と衝突した場合、重大な過失と判断されることがあります。(大阪地方裁判所 令和3年5月20日判決)
対象外の自転車
競技用や特殊な自転車は保険の対象外となる場合があります。
事例
BMXやマウンテンバイクなどの競技用自転車で事故を起こした場合、補償対象外となることがあります。
示談交渉
保険会社に連絡せず示談交渉を進めると保険金が支払われないことがあります。(保険法25条)
事例
保険会社の承認を得ずに示談を行い合意した場合、保険が適用されないことがあります。
自然災害
地震、津波、噴火などの自然災害による損害は保険の対象外です。(保険約款の免責事項)
事例
地震で自転車が倒壊した場合、自然災害による損害は保険対象外になります。
損をしないための具体的な対策

自転車保険を有効に活用し、いざという時に損をしないための具体的な対策を以下に示します。
1.保険の内容を詳細に理解する
保険の種類や補償範囲、免責事項を詳しく確認し、理解することが重要です。(保険法4条)
具体的なアドバイス
保険約款を読み、疑問点は保険会社に問い合わせましょう。
2.安全運転の徹底
飲酒運転や無謀な運転を避け、交通ルールを遵守し安全運転を心がけましょう。(道路交通法70条)
具体アドバイス
自転車専用の交通安全講習を受講することをおすすめします。
3.事故後の迅速な対応
事故を起こしたらすぐに保険会社に連絡し、指示を仰ぎます。
初期対応の遅れは保険金の支払いに影響することがあります。(保険法25条)
4.示談交渉は専門家に任せる

示談交渉は、専門的な知識を持つ保険会社や法律の専門家に任せることで、適切な解決が図れます。(保険法25条)
5.家族全員をカバーする保険選び
家族全員が補償対象となる保険を選びましょう。特に子供がいる家庭では重要です。
6.最新の保険情報をチェック
保険商品の進化を踏まえ、定期的に保険内容を見直すことが大切です。
アドバイスとまとめ
保険法の専門家によると、自転車保険を選ぶ際には、保険料だけでなく、補償内容やサービス内容を比較検討することが不可欠です。
特に、個人賠償責任保険の補償額は1億円以上を目安に設定することを推奨しています。
また、自転車保険だけでなく、自動車保険や火災保険の特約として加入できる場合もあるため、ライフスタイルに合わせた最適な保険を選びましょう。
近年、自転車事故による高額賠償事例が増加しています。
万が一の事態に備え、十分な補償を備えた自転車保険に加入することが、安心安全な自転車ライフを送るための第一歩です。
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記事作成者|今田イマオさん

【キャリア概要】
自転車メディアで編集長を務めた後、SEOを考慮したコンテンツ制作を得意とするディレクターとして、2019年4月に株式会社自転車創業に入社。現在、フリーランスとしてライティングから動画編集、出演まで、総合的なメディアコンテンツのディレクション実績1000本以上の制作に携わるマルチプレイヤーとして活躍中。
【専門分野】
- SEO最適化コンテンツ制作
- ライティングおよび動画編集
- マルチプラットフォームでのコンテンツ展開
- 自転車業界でのインフルエンサー活動
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